soukouki’s diary

誰かの役に立つ記事をかけたらいいなあ

電卓をワンライナーで書きたい!

さて、4ヶ月ぶりの更新です。

まぁ、やることはタイトルのとおりです。

改行、セミコロンと、セミコロンに近いもの((a=2)&&([a,a]) #=>[2, 2])は縛っていきます。

まずは逆ポーランド式電卓から

f = ->(s){->(t){(t==s)? s : f[t]}[s.gsub(/(-?\d+) (-?\d+) ([-+\/*%])/){$1.to_i.send($3, $2.to_i)}]}

f["1 2 3 + *"] #=> "5"

アンダースタンディング コンピュテーションって本を読んでるとだんだんRubyラムダ式に慣れてくる・・

基本的に変数を使いたくなったらラムダ式に変換します。再帰でなければ・・・

仕組みは正規表現マッチとObject#sendを使って、正規表現にマッチしなくなるまで変換し続けていく形です。

このときは楽だった・・

そして、普通の電卓へ

f = ->(r){->(a){r[->(b){r[->(d){r[->(g){g.gsub(/(-?\d+)([*\/])(-?\d+)/){$1.to_i.send($2,$3.to_i)}},d].gsub(/(-?\d+)([-+])(-?\d+)(?![*\/])/){$1.to_i.send($2,$3.to_i)}},b].gsub(/\((-?\d+)\)/){$1}},a]}}[->(f,v){->(f){->(x){->(m){f[x[x]][m]}}[->(x){->(m){f[x[x]][m]}}]}[->(x){->(s){->(a){a==s ? a : x[a]}[f[s]]}}][v]}]

f["1*2/3"] #=> "0"
f["-1+2"] #=> "1"
f["1*2+3*4+5+6+7"] #=> "32"
f["-1*(2+3)"] #=> "-5"
f["1+2*(3+4)*5"] #=> "71"

お化けです。

このままじゃ読めないので、分解していきます。

r = ->(f,v){->(f){->(x){->(m){f[x[x]][m]}}[->(x){->(m){f[x[x]][m]}}]}[->(x){->(s){->(a){a==s ? a : x[a]}[f[s]]}}][v]}
f = ->(a){r[->(b){r[->(d){r[->(g){g.gsub(/(-?\d+)([*\/])(-?\d+)/){$1.to_i.send($2,$3.to_i)}},d].gsub(/(-?\d+)([-+])(-?\d+)(?![*\/])/){$1.to_i.send($2,$3.to_i)}},b].gsub(/\((-?\d+)\)/){$1}},a]}

まずは、rとfに分解します。

rの詳細とZコンビネータ

さらにrを分解します。

z = ->(f){->(x){->(m){f[x[x]][m]}}[->(x){->(m){f[x[x]][m]}}]}
r = ->(f,v){z[->(x){->(s){->(a){a==s ? a : x[a]}[f[s]]}}][v]}

(一つラムダ式とその呼出が増えていますが、動きは一緒です。)

元の形ではrの内部でrを呼び出して再帰をしていたのですが、この縛りだとrの名前がなくなるので、簡単に再帰はできません。

なので、Zコンビネータを使います。 obelisk.hatenablog.com(詳細は丸投げ!) (ぶっちゃけZコンビネータの中身は理解できてないし、これの使い方に試行錯誤する時間が多分一番長かった気がする)

fの詳細

ついでにfもわかりやすくしてみます。

# 参考用r(Zコンビネータ使用前)
r = ->(f,v){
    a=f[v]
    a==v ? a : r[f,a]
}
f = ->(a){
    r[
        ->(b){
            r[
                ->(d){
                    r[
                        ->(g){
                            g.gsub(/(-?\d+)([*\/])(-?\d+)/){$1.to_i.send($2,$3.to_i)}
                        },
                        d
                    ]
                        .gsub(/(-?\d+)([-+])(-?\d+)(?![*\/])/){$1.to_i.send($2,$3.to_i)}
                },
                b
            ]
                .gsub(/\((-?\d+)\)/){$1}
        },
        a
    ]
}

実はものすごいネストしています。

r(f,v)は値が変わらなくなるまでfを呼び続けます。逆ポーランド式電卓の方にもそんな感じの部分があります。

そしてそれをネストしながら呼び続けることによって、優先順位のある計算を行います。

括弧の処理は中の+-*/を計算し尽くしてできた(x)xに置き換えることによって行っています。

計算の様子

r内にp [f,v,a]を置いてみると、計算の様子がよくわかります。(Procの部分を置き換えています。)

(なんか括弧の優先順位が違うような気がするけど、とりあえず正常に動くので気にしない・・バグがあったらコメント等で教えてくれるとありがたいです。)

# f["1*2/3"]
[#<*/の処理>, "1*2/3", "2/3"]
[#<*/の処理>, "2/3", "0"]
[#<*/の処理>, "0", "0"]
[#<+-の処理>, "1*2/3", "0"]
[#<*/の処理>, "0", "0"]
[#<+-の処理>, "0", "0"]
[#<括弧の処理>, "1*2/3", "0"]
[#<*/の処理>, "0", "0"]
[#<+-の処理>, "0", "0"]
[#<括弧の処理>, "0", "0"]

# f["-1+2"]
[#<*/の処理>, "-1+2", "-1+2"]
[#<+-の処理>, "-1+2", "1"]
[#<*/の処理>, "1", "1"]
[#<+-の処理>, "1", "1"]
[#<括弧の処理>, "-1+2", "1"]
[#<*/の処理>, "1", "1"]
[#<+-の処理>, "1", "1"]
[#<括弧の処理>, "1", "1"]

# f["1*2+3*4+5+6+7"]
[#<*/の処理>, "1*2+3*4+5+6+7", "2+12+5+6+7"]
[#<*/の処理>, "2+12+5+6+7", "2+12+5+6+7"]
[#<+-の処理>, "1*2+3*4+5+6+7", "14+11+7"]
[#<*/の処理>, "14+11+7", "14+11+7"]
[#<+-の処理>, "14+11+7", "25+7"]
[#<*/の処理>, "25+7", "25+7"]
[#<+-の処理>, "25+7", "32"]
[#<*/の処理>, "32", "32"]
[#<+-の処理>, "32", "32"]
[#<括弧の処理>, "1*2+3*4+5+6+7", "32"]
[#<*/の処理>, "32", "32"]
[#<+-の処理>, "32", "32"]
[#<括弧の処理>, "32", "32"]

# f["-1*(2+3)"]
[#<*/の処理>, "-1*(2+3)", "-1*(2+3)"]
[#<+-の処理>, "-1*(2+3)", "-1*(5)"]
[#<*/の処理>, "-1*(5)", "-1*(5)"]
[#<+-の処理>, "-1*(5)", "-1*(5)"]
[#<括弧の処理>, "-1*(2+3)", "-1*5"]
[#<*/の処理>, "-1*5", "-5"]
[#<*/の処理>, "-5", "-5"]
[#<+-の処理>, "-1*5", "-5"]
[#<*/の処理>, "-5", "-5"]
[#<+-の処理>, "-5", "-5"]
[#<括弧の処理>, "-1*5", "-5"]
[#<*/の処理>, "-5", "-5"]
[#<+-の処理>, "-5", "-5"]
[#<括弧の処理>, "-5", "-5"]

# f["1+2*(3+4)*5"]
[#<*/の処理>, "1+2*(3+4)*5", "1+2*(3+4)*5"]
[#<+-の処理>, "1+2*(3+4)*5", "1+2*(7)*5"]
[#<*/の処理>, "1+2*(7)*5", "1+2*(7)*5"]
[#<+-の処理>, "1+2*(7)*5", "1+2*(7)*5"]
[#<括弧の処理>, "1+2*(3+4)*5", "1+2*7*5"]
[#<*/の処理>, "1+2*7*5", "1+14*5"]
[#<*/の処理>, "1+14*5", "1+70"]
[#<*/の処理>, "1+70", "1+70"]
[#<+-の処理>, "1+2*7*5", "71"]
[#<*/の処理>, "71", "71"]
[#<+-の処理>, "71", "71"]
[#<括弧の処理>, "1+2*7*5", "71"]
[#<*/の処理>, "71", "71"]
[#<+-の処理>, "71", "71"]
[#<括弧の処理>, "71", "71"]

おまけ

製作途中

r = ->(f,v){a=f[v];a==v ? a : r[f,a]}
f1 = ->(s){r[->(t){t.gsub(/(-?\d+)([*\/])(-?\d+)/){$1.to_i.send($2,$3.to_i)}},s]}
f2 = ->(s){r[->(t){f1[t].gsub(/(-?\d+)([-+])(-?\d+)(?![*\/])/){$1.to_i.send($2,$3.to_i)}},s]}
f = ->(s){r[->(t){f2[t].gsub(/\((-?\d+)\)/){$1}},s]}

ハマったところ

  • rの再帰の呼び出しr[f,a]f[a]にしていて、なんかおかしいなと思いつつも大体の式はうまく動いちゃうので微妙なバグでした。
  • f1は楽だけど、f2のf1を呼ぶ部分で迷った・・3重ループになるはずだから、多分ここで合ってるはず・・実際式を入れたら動くのだし()
  • Zコンビネータの使い方・・あれって2つの引数を持つ再帰はできないのかな・・?最初fも再帰の引数に入れてて詰まってました。

以上

秋の夜長にプログラミング!そして次の日の朝起きられなくなる・・・